アニメファンにとっては言うまでもなく「宮崎駿 監督」の初監督作品である、名作アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」。
国営カジノから、まんまと大金を盗み取ったルパンと次元。しかし、その札束はすべて「幻の偽札 ゴート札」だった。その謎を解き明かすため、ルパンたちはカリオストロ公国へと侵入するが、そこで出会ったのが、この物語のヒロイン・クラリスだった。カリオストロ侯爵の謀略のため、無理やり結婚を強いられるクラリスを助けるため、ルパンたちの命がけの戦いが始まる!
もちろん、物語にはルパンシリーズ特有のコミカルなアクションシーンが満載。冒頭のカーチェイスシーンを見たディズニー映画の関係者は「これはすごい!」と驚いたとか驚かなかったとか。また、ルパンがクラリスの閉じ込められている城に侵入するシーンは、宮崎監督ならではの演出がふんだんに盛り込まれている。
何より特筆すべきは、「クラリス」の美しさと可憐さと強さ!僕はこの映画を高校生(男子校)の時に初めてテレビで見たのだが、翌日は、クラリスの素晴らしさを語る男子高生でいっぱいになってしまった。「ああっ、こんな子がいたらなぁ・・・」そう妄想したのは、僕一人ではあるまい。すっかりおじさんになってしまった今では「おじさま!」とクラリスに呼んでほしい!・・・すみません。妄想が過ぎました。
しかし、残念ながら「カリオストロの城」は興行的には惨敗。前作の映画「ルパン三世VS複製人間」を大きく下回ってしまう。加えて、ルパンシリーズに一貫していたお色気シーンや金のためにはどんな危険にも立ち向かっていくという、ルパンのキャラクターが色をひそめていたため、一部、評論家から叩かれてしまった、という噂もあった。
ところが、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」がそうだったように、初期の評判が悪いものほど、本当のファンたちが徐々にムーブメントを巻き起こしていくのが日本のアニメである。「カリオストロの城」はテレビで再放送を重ね、ファンたちの呼びかけで自主公開が実施されるなど、大きなブームを巻き起こし、宮崎駿監督の名を不動のものにしていくのである。
もっとも、宮崎監督自身は「カリオストロの城」の興行的な失敗をきっかけに、ルパン三世のTVシリーズの第2シーズンの最終回を最後に、テレビアニメの表世界からは姿を消してしまう。アニメ界から距離を置いて彼が取り組んでいたのは、やがてアニメ映画の名作となる「風の谷のナウシカ」の漫画連載だったのだ。あの「スタジオ ジブリ」の種を撒いたともいえる名作中の名作だ!
おじさま的ロマンティック評価(5段階評価で)・・・・・☆☆☆☆
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